アロマセラピールーム燈和(Hiyori)

理系でも文系でもない香系サイト🌿

当サイトのトリセツ 〜 ご利用の手引き 〜

当サイトのトリセツ

当サイトをどう使うか、それは皆さんのものですが、、、

きちんとお伝えしておいた方がいいかなぁっと。

 

エンターテイメント性もファッション性も持ち合わせてないので

大衆向けに好まれる配信には縁遠い私です。

だけど、誰かのアンテナに触れることができて

良きご縁となれば嬉しいな。

 

 

当サイトは〇〇だと認めます

単純に、知識と考察をアウトプットする場ですよね、、、

 

あれこれと思い巡らせた末、

自分の言葉でお伝えすることが大事

だと思うに至りました。

 

自分の頭にあることをアウトプットするわけですから

配信は、大掛かりな自己紹介でもあるかと。

 

あと、自分の頭の整理にもなります。かなり。

 

深く考えるタイプですが、配信は楽しんでいきます♪

 

アロマ実践家 初心者さんへ

もしアロマセラピーの実践」を目的に、

   >>> 人(自分も含む)に対してアロマセラピーを行いたい方で

これから学びに入ることを希望しているならば、

このサイトをスタートとするよりも

各スクールのベーシックなカリキュラムを受講することをオススメします。

スクールのテキストは、多くの実績と経験を元に素晴らしく体系化され、

安全安心な情報のみを万人に確実に届けるよう提供されるものです。

 

ベースとなる知識は

お金も時間もかけるべきだ

と私は思ってますし、実際そうしてきました。

2校のベーシック講座を受けました

 

自分の発信する情報はなるべく”正しい”ものであるよう努めていますし、知識のアップデートは常に心がけております。

 

しかし、個人で活動する限り

配信の内容は、自分の経験と解釈を通したもの

であることは避けられませんので悪しからず。

 

アロマの世界は奥深いので学びがいあります!

ぜひ力強い一歩を踏み出してくださいね。

 

自分がアロマセラピーを受ける方や健康志向の方、

専門外の知識として必要な方は、どうぞお気楽にお読みください。

 

理論→ 実践へのこだわり

前回、「はじめに」というタイトルで注意喚起を記載しました。

こちら https://aromaeffect.hatenablog.com/entry/hajimeni

 

アロマセラピーで使う基材、特に精油

豊富な化学成分を持ち、薬効成分でもあります。

だけと私は、フランス式”メディカルアロマ”を全面に出すタイプのアロマセラピストではありません

 

精油やその他、植物由来成分の化学/ 物理学/ 植物学 などは

アロマセラピー理論として必要であるが

実践や応用を目的とした基礎知識

と考えております。

 

自分を頼ってくれるクライアントさんがどのような方

例えば、持病を持っている/妊娠中である

場合でも、アロマセラピーを可能な範囲で受けてほしい。

たくさんの方が安全にアロマセラピーに触れるためには

基材が心身体にどのように影響するかを知っておく必要がある

と思ってアロマセラピー理論を日々学んでいます。

 

私がIFPAアロマセラピストになった所以でもあります。

 

また同時に

 

薬理作用のみを追求し、

自然のエネルギーやサインを秘めた

植物本来の魅力が薄れることを避けたい。

 

薬効のみを対象とするのであれば

現代医療や対処療法のアプローチと同じになり

それならば、断然、現代医療が安心安全なわけです。

 

というわけで、私は

 

アロマセラピーは補完医療であり

ホリスティックに行う

 

クライアントがWell-beingであるための

アロマセラピーを実践する

 

をモットーにしています。

 

なぜ ”香り”系としたか

2022年より天然香料の取り扱いを増やして

調香師としても活動しています。

 

香水を学ぶことは、精油の化学を超えた

哲学的/芸術的な面をみることに繋がりました。

文化的とさえ言いきってしまいたい。

 

香りに対する感性は、風土と密接に関係し、

個人のバックグラウンドにも触れてきます

 

心地よい香りを纏うこと

自分の思いを香りに表現すること

 

が、生き方や生活に良い影響を与えるのであれば

これはもう立派なアロマセラピーだと思い、

アロマセラピーに留まらない発信をすべく「香系」を出しています。

 

私のMVV

上記を踏まえ、MVVをここに宣言

 

そして、最後に、他SNSのお知らせです。

 

ご案内

マルチメディア配信に関して

YouTube をご覧になる方はこちら

www.youtube.com

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

次回から少しずつ本編に入りますね。

 



 

 

はじめにお読みください

ご覧頂きありがとうございます!

IFPAアロマセラピスト 吉田恭子です。

2024年4月より当ブログをリニューアル。

(過去投稿も残してます)

 

アロマセラピールーム燈和」は

オンラインにも空間を持ち、

マルチメディアの配信を始めています。

動画の方がお好みの方は、ページの最後にリンク貼ってますので、そちらをご覧くださいね。

(実店舗は、和歌山県岩出市にあります)

 

では、本題です。

サイトを通じて、私の配信を見て頂ける方に留意してもらっています。

 

 

なぜ、こうした喚起が必要かと言いますと、、、

 

 

アロマセラピー”治療”法ではありません。

 

つまり、何らかの病気や怪我に対して、

アロマセラピーを用いた処置を行うことは

法規に触れてきます。

 

特にここ日本では注意が必要です。

 

お身体に不調を感じておられるのであれば

ご自身で判断されるのではなく

医師や専門機関にご相談ください

 

海外などでは”クリニカル(臨床)”ケアとして、

精油の薬理作用を考慮したケアが行われることもありますが、

それでも

 

医師を中心としたチームで行われるケースがほとんど。

アロマセラピストは、チームの一員として、

自分の香りに関する専門知識で介入するのであり

医療に手出しをすることはありません。

 

もし、クリニカルケアとしてのアロマセラピー

ご興味がありましたら、別途お問い合わせください。

 

アロマセラピーの基材」に関してはここでは割愛します。

記事ができたらリンク貼ります。

 

次に、

 

 

科学的根拠というと、いかにも信頼できる響きを持ちますが

やはり、注意が必要です。と言いますのも、

解釈がアスペクトによって変わるものでもあるからです。

 

研究により得られる結果は”事実”であり、揺るぎないものですが

その成果をどう解釈するか?

または、どの部分を持論の根拠とするのか?

で見方が変わってしまうのも事実としてあります。

 

また、科学は日々発展していくもので

新しく研究結果が出るほどに、相互関係が変わる

こともまた事実です。

アロマセラピーは注目度も上がってますので、ここ数年で研究が進んでいます。

理論と実践での結果が異なることも否定できません。

 

私の方でも、なるべくアップデートしていくつもりですが

そのことをご理解いただきたいです。

更新日時などもチェックしてもらえると有難い。

 

ということで、まとめです。

 

 

アロマセラピーや天然資源の基材は、本当に魅力的で

多くのことをお伝えしていきたい!と意気込む私にも

大前提として胸に刻んでいる内容です。

 

YouTubeでも配信中】

 

www.youtube.com

 

  最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

【玄人志向に】アロマセラピーで使う精油を科学する②~知っておくと便利な最低限の化学知識~

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前回、植物にとっての精油を見ていきました。

精油は植物の2次代謝産物であること、つまり、動けない植物が生息地で環境に適応して生きたいくために、自らが体内で作り出した有機化合物であるということでしたね。

 

そして、”精油の香り成分を化学的に見よう”ということをこの回で書く予定でした。が、甘かった・・・誰かに向けて書くほど理解できていなかった・・・(・∀・i)・・・

分かってはいたものの、ぼんやりと自分が知っているのと、アウトプット して誰かに伝えようとするのは、全然違うんですね。

そして、再度、書き出すことを目的に勉強しなおしました。

大事なことですね、アウトプット。振り返ってみて再勉強できてよかったです。

 

最初に断っておきますが、ここで記載するのはあくまでも”最低限”のものです。

私自身も中学高校時代に習った「化学」知識しか持ち合わせていません!

今回のこの記事で化学に興味を持って、より深い探究を行いたい方は、書籍で学ぶなり、もっとすごい専門の方のブログなどを参照なさると良いでしょう。

 

ということで、精油成分がうんぬんの前に、アロマセラピーを学ぶにあたり、知っておいたら便利という最低限の化学知識から入ります。化学の触りどころか、つまみ食い程度ですが、必要なところだけ分かれば良い、という観点からは適量でかと ( ´艸`)

 

ついに、私ごときが!の分野に突入しますが、化学分野の”ど素人”だからこそ伝わる事もあると信じて、始めて行きます。

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<目次>

アロマセラピー有機化学に分類される

※ 化学的な基礎知識を必要とされる方は、先に【知っておくと便利な用語と説明】をご覧ください

有機化合物を対象とし、扱うのが有機化学です。

有機化合物とは、炭素(C)を共通の元素として持つ化合物です。

長い間、有機化合物は生き物が作り出すものとされていたようですが、現在では人工的に作られる有機物もあり、一般的に炭素(C)を含む炭素化合物を有機化合物としているようです。

ただし、どの分野でもそうであるように、例外は存在するみたい。例)CO2

 

有機化合物の特徴
  • 構成する元素の数は少ないが、化合物の種類は多い
    炭素(C)以外では、水素(H)酸素(O)窒素(N)硫黄(S)などが主な構成元素
  • 構成元素が共有結合によるものがほとんどのため、
    水に溶けにくく、有機溶媒(アルコールなど)に溶けるものが多い
  • 融点・沸点が低く、可燃性が高い

アロマセラピー精油や植物油は、元素の構成からも、”生き物が作り出すもの”という定義からも、有機化合物になります。ですので、アロマセラピー有機化学に分類されます。有機化合物の特徴を見ても、精油と共通することが多いこともわかりますね。

知っておくと便利な用語と説明

先に述べたように、あくまでアロマセラピーレベルでの説明です。

深入りするとグルグルなりますが、何だか世界を垣間見るような面白さもあるし、趣味程度に学ぶのもいいなぁ、なんて個人的には思っています。 

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知っておくと便利な元素記号原子価

簡単に説明すると、「元素」は物体の原子の種類、原子価はある元素が結びつくことができる原子の数です。詳細は上の表を見てくださいね。

アロマセラピーで知っておくと便利な元素の数は少ないです。覚えちゃいましょう。

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水素と炭素は、アロマセラピーで使う基材のすべての元となる「炭化水素」を作る元素です。酸素は、後ほど出てくる「官能基」によく出てきます。
 

窒素と硫黄は、アロマセラピーでは、ほとんどお会いしませんが、香りを特徴付けるものとして有名です。


アロマセラピーで使う基材の化学的骨格(構造)について

有機化合物の表示方法:「分子式」と「構造式」

有機化合物は分子性物質がほとんどなので、「分子式」で表すことができます。しかし、「分子式」が同じでも、その骨格(構造)の違いで性質が異なります。そこで、「分子式」ではわかりにくい骨格(構造)を表すのに用いるのが「構造式」です。

 

例として使いやすい、リモネンとαピネンを見てみましょう!

量の差はありますが、ほとんどの精油に含まれています。リモネンは柑橘系の香りのもと、ピネンは葉っぱなど森林系の香りを作る成分です。

 

分子式と構造式の例>

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化学っぽくなってきましたね〜 (´∇ノ`*)オホホ♪


 まず、注目すべきは、「分子式」。どの原子がいくつ含まれている分子であるかを見ることができます。アロマセラピーで使う精油有機化合物で良かったと思えるのが、炭化水素化合物であること。つまり、炭素と水素しかない!分かりやすい!!

リモネンとαピネンの分子式は同じ「C10H16」です。炭素10個、水素が16個で構成されています。お気づきだと思いますが、これでは構成元素はわかるものの、どのような形かが不明です。そこで、登場…「構造式」です。

 

さて、その構造式の説明ですが、先にリモネンの方を使って基本説明します。

構造式は、見る人の化学知識レベルで表記を簡単にしていることがあります。

全ての元素記号を入れたものが、「正式な展開図」(表の右端)です。ここを見てもらうとわかると思いますが、”知っておくと便利な元素記号原子価”でも出てきました「原子価」が、構造式では重要になってきます。「原子価」は、原子が他の原子と結合できる手の数です。炭素の原子価は4本(説明上、”本”の助数詞を使います)ですので、元素記号「C」に対しては、必ず4本の手が伸びています。2本線になっているところは、いわゆる「二重結合」になります。そして、その手の先は、炭素か水素です。炭化水素化合物の骨格は炭素ですので、骨格のつなぎ目は炭素だと分かります。手が余っていたら、そこに水素がいるんだな、ということで、表記の簡略具合が理解度で変わってくるのです。初めて構造式をご覧になる方でも分かりやすいように、イメージイラスト(表の左端)も付けてみましたので、ぜひ見比べてみてください。

 

「正式な展開図」を見ると、素人から見ると、ふむふむなるほど〜となるのですが、ごちゃごちゃして骨格がわかりにくい。構造が複雑なものほど、骨格だけの構造式が見やすいといえます。

 

次に、αピネンです。2つありますよね。。。どちらも同じ分子です。

分子式」と「構造式」を説明するだけならば、リモネンだけで良かったのですが、「構造式」には一つ欠点があります。それは、平面図であるが故に実際の立体構造が分かりにくい!という点です。ここは、以後、成分を見ていく上でも、注意する必要のあるポイントです。

αピネンでは、真ん中の炭素原子が浮いたような状態になっています。見る角度で、その浮いた部分がどちら側に表記されているかの違いが出てきます。

うまく説明できそうにないので、こんなものを作ってみました。

 

<αピネンの立体構造イメージ>

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右側から見た感じ、と左側から見た感じ。構造式と照らし合わせてみてください。

青のダイヤのポイント、赤のダイヤのポイントが同じ”場所”です。平面だとわかりづらいですが、赤ダイヤのポイントが立体構造で言うと、平面に対して奥(垂直方向?Z軸方向)にあります。

 

そして、立体構造、という点からもう一つ。

分子には「異性体」というものが存在します。今回紹介した、リモネンとαピネンは二重結合を含みます(六角形の右上の2重線)ので、「異性体」を持つ分子になります。この「異性体」に関しては、香りの成分を化学的に解説する際にお話する方がわかりやすいと思いますので、今回は補足程度で、次回へパスしますね。

骨格(構造)による分類

文献により、分類が微妙に変わるので、まとめるのにとても悩みました。

以後の説明は私の”解釈”も入ってしまうので、繰り返すようですが、ご自身でも一度整理すると良いかと思います。自分なりに解釈が出来た時が、腑に落ちる瞬間です。

 

何よりも大事なポイントなので、既に、何度かお伝えしてるのですが、

アロマセラピー基材で使われるものは、ほとんどが炭化水素なので、

炭素がつなぎ目にある炭素骨格を基本としている

ことをお忘れなく。

 

では、まず、骨格(構造)から大きく2種類にわけます。

「鎖式」と「環式」です。

  • 鎖式化合物
    炭素原子が直鎖、または、分岐して繋がっている(結合している)
  • 環式化合物
    炭素原子が環状に繋がっている(結合している)

さらに、上記2式の化合物において、炭素原子間の繋がりが1本ずつ(単結合)になっているか、2本以上(二重結合、三重結合)の結合をもつかで、「飽和化合物」と「不飽和化合物」にそれぞれ分かれます。

ここで、原子の原子価(結合できる原子の数)を思い出してください。炭素原子は原子価が4ですので、4個の炭素原子と1本ずつ手をつないでいる場合は「単結合」だけで構成されており、「飽和化合物」となります。これに対し、例えば、3個の炭素と結合している場合は、そのうち1個の炭素原子とは2本の手で繋いでいることになり、これは二重結合含む構成になるので。「不飽和化合物」となります。

 

鎖式と環式はイメージがあるほうが分かりますので、下図も参照してください。

環式化合物は先ほど出てきたリモネンとαピネンですね。

 

<鎖式化合物と環式化合物の例>

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ちなみに、上記例ではたまたま二重結合を持たない鎖式と2重結合を持つ環式に分かれてしまいましたが、「鎖式化合物」でも2重結合を含む「不飽和化合物」が存在しますし、「環式化合物」でも単結合のみの「飽和化合物」が存在します。
 

性質的な要素を考慮した分類

骨格(構造)からの分類だけだと、まだ分かりやすいのですが、アロマセラピー関連の書籍では、性質的な要素も考慮して分類される場合が多くあります。

 

例えば、鎖式化合物は「脂肪族化合物」とも呼ばれており、この「脂肪族化合物」には「ベンゼン環」を持たない環状の「脂環式化合物」を含むことが多い。

 

では、この「ベンゼン環」を持つ環状の化合物はどうかといいますと、「芳香族化合物」と分類されます。名前からお察しいただけるように、「芳香族化合物」はアロマセラピーに欠かせない基材である”精油”の香り成分の特徴や機能性に関わってきます。

この「ベンゼン環」の構造式では、炭素原子が正六角形状(環状)に結合し、単結合と二重結合が交互に並びます。

 

そしてもう一つ。性質的な要素を考慮した分類として出てくるのが「テルペン化合物」です。アロマセラピーでは最重要骨格(構造)といっても過言ではありません。精油はこの「テルペン化合物」を基本骨格に持つものがほとんどだからです。

そして、この分類は「イソプレン(C5H8)」という炭化水素を基本骨格としており、また、それを単位としたイソプレン則というルールに従います。イソプレン則に関しては、香り成分を化学的に見る時に詳しく説明いたします。すみません、次回です。。。

 

なぜ”最重要骨格”である「テルペン化合物」を最後に持ってきたかというと、その重要さゆえに、アロマセラピーの文献でよく目にするにもかかわらず、分類となると多くの疑問を持たざるを得ない。骨格だけで分類してしまうと、どこに入るの?となるのです。私だけ?だったらすみません。というのも、「テルペン化合物」の骨格(構造)には、鎖式と環式(脂環式)のどちらもあるからです。そして、先にも書きましたように、この鎖式と脂環式は2つ合わせて「脂肪族化合物」と呼ばれることもあります。加えて、「脂肪族化合物」と「鎖式化合物」が( )を使って併記されることもある…こうなると、少し混乱を招くことになります。そこで、こう覚えましょう。

 

「テルペン化合物」は”カタチ”は気にせず、その”性質的な特徴”となる「イソプレン炭素骨格」を基本とした化合物である。

 

あえて、骨格(構造)分類をするならば、分子の形で「鎖式化合物」「脂環式化合物」「脂肪族化合物」それぞれに分類されます。でも、イソプレン炭素骨格(C5H10)を基本骨格に持っていれば「テルペン化合物」です。ちなみに、先に紹介したリモネンとαピネンは「イソプレン炭素骨格」を基本とします(正確には、イソプレン骨格が2つ結合していますが)ので、「テルペン化合物」です。

 

ということで、この記事では、骨格の形による単純な分類から入り、性質的な要素を考慮した分類を経て、「テルペン化合物」に至っております。おそらく、アロマセラピーに関する化学系文献では、この「テルペン化合物」と「芳香族化合物」を触れずに進めることはできないので、性質的な要素を考慮した分類で説明されることが多いのだと思います。骨格(構造)を念頭に置いて、この分類に目を通すと”?”がいっぱいになってくるわけです。

 

まとめます。

  • 脂肪族化合物
    鎖式化合物と脂環式化合物(「ベンゼン環」でない環式)を合わせた化合物
  • 芳香族化合物
    環式化合物の中でも、芳香成分の特徴となる「ベンゼン環」骨格を持つ化合物
  • テルペン化合物
    「イソプレン」骨格を持つ化合物でイソプレン則というルールに従う

 

次の回で必ず必要になりますので、イソプレンとベンゼン環もご紹介しておきます。

<イソプレンとベンゼン環>

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 ここまで来て、ようやくアロマセラピーで使う基材、特に精油を化学的に見ていく頭の準備ができました。精油の化学成分を見ていくためには、さらに、「官能基」という精油の性質を特徴づける原子団と「異性体」という立体構造から見る分子構造を知る必要があります。

これ以降に続けることも可能ですが、ここで一度「知っておくと便利な最低限の化学知識」を締めます。そして、「精油を化学的に見る」ことは次回へ送ります。

きっとその方がまとまりも良くなりそうですし、書きやすいと判断しました。

 

では、みなさん、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

また、次回もよろしくお願いします。

お茶でも飲んで一息入れましょう。。。(●´▽`)ナハハ

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【玄人志向に】アロマセラピーで使う精油を科学する①~植物にとっての精油とは~

前回、「アロマセラピーとは」という内容で、一般的な説明と私説を混ぜて説明いたしました。それを見てくれた方に励まされ(?)、私の知識をもう少しマニアックに披露してみる決意をしました!今回から連載するお話は、はっきり言って、玄人志向のものになります。ですので、アロマセラピーを趣味として楽しみたい方、リラクゼーションの範囲に留めたい方は読まなくても良いかと…( 。-ω-)-ω-)-ω-)

 

いきなりこのページに辿り着いてしまった方、基本的なことはコチラをお読みくださいね。

aromaeffect.hatenablog.com

 

実際、アロマセラピーは、学ぶほどにその深さにため息が出るほどの分野です。

課題として、精油そのものを知るための薬理学、農学、植物学、化学、物理学、そして、それを使う対象としての解剖生理学、生化学、毒物学、西洋医学東洋医学、場合によっては、心理学や自然哲学もしくは形而上学などなど、それらの全てとまでは言いませんが、様々な分野の基礎知識を統合的に知ることが必要だと認識しています。

なので、私自身、まだ学徒であり道半ば。というか、ゴールってないよな... (´∀`; )

それに、アロマセラピーの可能性はまだ広がりを見せていますし、補完医療としての研究はまだこれからと考えますと、まだまだ深まりを見せる分野だと言わざるを得ません。

ですので、ここで書き出すものは、”アロマセラピー学”の一部になります。

以後、書き足しが必要と判断しましたら、その都度追記させていただきますね。

そして今回はその第一回目!

では、植物側からの精油を見てみましょう。

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〈目次〉

植物はなぜ精油を作り出すのか

 精油植物が作り出す代謝産物、つまり、生体内にて化学反応の過程で生じる有機化合物のことです。化学的視点に立つと、人と同じように植物も常に稼働している化学工場と言えますね。そして、植物が産み出す代表的な物質の一つが、生命活動に必要なグルコース(糖質)です。みなさん、お馴染み「光合成」による産物です。それがないと生きてゆけないので、こうした代謝物は一次代謝産物と呼ばれます。糖質の他にも、一次代謝産物には脂質やたんぱく質などがあります。

これに対し、精油は二次代謝産物です。必要不可欠ではないけれど、環境の変化や進化に対応して生き延びるため(もしくは、永続的に生き抜くため)に必要に応じて生産される物質の一つになります。そのため、同じ植物でも生息地によって生産物も変わるものもありますし、各植物特性を表すものとも言えます。この他、苦味を感じさせるタンニンなども、二次代謝産物です。

一次代謝産物

 生命活動に必要不可欠な物質。

 糖質、脂質、たんぱく質 など

二次代謝産物

 環境の変化に適応するための物質。

 香り(精油)、苦み(タンニン) など

では、本題に戻ります。この項目タイトルに「なぜ」としましたが、実は植物側に立った「なぜ」の答えは、未だにはっきりとわかっていないのだそうです。そして、これからも、その確かな解答は決して得られないだろう、というのが科学の答えのようです。

そこで、次のような視点で進めたいと思います。

二次代謝産物である精油を植物はどのように役立てるのか?

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それでも、その可能性は多くあるようですので、ここでは、アロマセラピーと関わりが深いと考えられるいくつかの役割を紹介します。

 

【誘引・忌避作用】

 虫や鳥を引き寄せることで受粉や種の運搬補助。

 捕食や攻撃から自身を守る。

 防御だけでなく、天敵の天敵を誘引。

 

【抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用】

 カビや有害な菌から自身を守る。

 微生物の侵入と増殖、それによる腐敗を防ぐ。

 

【冷却(放熱)・保湿作用】

 蒸発させることで熱を逃がす。

 揮発性オイルの霧で包み、水分を保持。

 

【情報伝達作用】

 植物内では、ホルモンや生理活性(治癒作用など)のような働きをする。

 植物間での、ケミカルコミュニケーション作用。

 

このよう見ると、精油は、動くことが出来ない植物が、自身の生息する土地に適応して生きて行くために、自ら作り出す物質であることがよく分かります。そして、その役割は、私たちがアロマセラピーを行う際に期待する作用そのものであることも分かります。実際、”人間にどれだけ有用であるか”という研究だけが進められているのではないか?という疑念もありますが、植物の中での役割や機能はほとんど解明されていない。ということは、こうした作用もまだ植物の力の一部…そう考えると、その賢智は計り知れず、その恩恵を受ける私たちは感心させられるばかりです。


ちなみに、精油は主に「油細胞」の中に油滴として含まれており、少しずつ気孔から発散するか、風により擦れ合う事で油細胞が壊れて発散するかして、大気に放出されます。必要のない時は、配糖体を形成して揮発性を抑えて無害化し、細胞に蓄積しているようです。すごいですね〜ヽ(*´∀`*)ノ.+゚

 

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精油が採取される植物の分類

植物の分類を正確に学ぼうと思うと、それだけで一つの学問になるくらいの量になりますので、ここでは、あくまで「アロマセラピー」を実践するにあたって最低限知っておいた方がよいと思われるところだけをピックアップします。

属名と種名

精油を採取した植物を同定する、つまり、その植物が何であるかを決定するために最低限与える必要があるのが、「属名」と「種名」です。構造上の特徴から与えられます。真正の精油であれば、必ず瓶に表記してありますので、確認してみて下さい。

例)ラベンダー Lavendula angustifolia

Lavendula → 属名   angustifolia → 種名

補足になりますが、表示にもルールがあります。

・属名は最初を大文字でイタリック表示

・種名は小文字のイタリック表示

これを踏まえて再び精油の瓶を見てみると、納得してもらえるはずです。

ケモタイプ

同じ属名と種名の植物でも、生息地でその特徴成分が大きく変わるものがあります。遺伝や環境要因で内部変化が起こしやすい種で、野生に生育する植物に自然と起こります。精油の役割を考えると、成分が少しずつ違うことには納得できますが、同種内での違いが大きいものは分類をさらに細かくするんですね。なぜなら、見た目は同一とはいえ、化学成分が違ってきますので、当然、香りと期待される薬理効果も変わってくるからです。そのような植物には、ケモタイプ表示が使われることになります。分類上、ケモタイプは属名種名の下になり、「ct.」の略号を伴なって、後に成分名が続きます。

代表的な精油の例として、ローズマリーを挙げます。

Rosmarinus officinalis ct. cineole 特徴成分:1.8シネオール(オキサイド類)

Rosmarinus officinalis ct. camphor 特徴成分:カンファー(ケトン類)

Rosmarinus officinalis ct. verbenone 特徴成分:ベルベノン(ケトン類)

※成分に関しては、次回、詳しく説明するつもりです。

 

他に、タイムやラベンダーでもケモタイプをよく見かけます。中には、特定の化学組成の系統種を繁殖を目的として挿し木で栽培されるものもあり(クローンになるのかな)、地域品種と呼ばれて市場に出るものもあります。

 

ところで、植物が生産する化学物質の変化には自然要因だけではありません。栽培条件、つまり、栽培者も影響を与えます。しかし、それは肥料や農薬などの影響を受けるというものではありません。精油の量や質(香りや薬効など)は、植物の成長期間を通じて変化するので、栽培時期や収穫のタイミングなども大きな影響があると考えられます。もちろん、自然現象は仕方ないとしても、ある程度のコントロール可能な環境づくりという意味でも、栽培者の影響を受けると言えます。

精油の商品情報として記載されるものがもう一つあります。「科」です。

植物療法全般でそうであるように、アロマセラピーでも治療作用の大まかな分類として「科」の持つ性質を参考にします。植物学的由来から見ても、共通の特性を持っていることが多いからです。

以下に、アロマセラピーでよく使われる精油の「科」を紹介します。

バンレイシ科: イランイラン

セリ科: アニス、コリアンダーフェンネル

キク科: カモミール

シソ科: ラベンダー、クラリセージ、マジョラム、パチュリ、ペパーミント

クスノキ科: シナモン、カンファー

ヒノキ科: サイプレス、ジュニパー

マツ科: パイン、シダーウッド

 

まとめ

今回は、植物にとっての精油を見ていきました。ほとんどが、「植物学」としての知識でしたね。植物療法の一つであるアロマセラピーを行う際、植物のことを知ることは、絶対必要!ではないにしろ、興味を超えた有用な情報であると、私は思います。

途中でもお伝えしましたが、植物にとっての精油の役割はそのまま私たちが必要とする薬効に繋がることも多く、使用する精油の詳細な成分を把握せずとも、その生育環境を想像することで、ある程度の効能を知ることができるからです。

加えて、精油1滴1滴に含まれる成分の由来やパワーを実感して使用することは、アロマセラピーの効果を更に高めることに繋がるがのではないでしょうか?個人的な意見として、気持ちの込め方が変わる、という観点からですが…。

みなさんは、どう思われますか?? 

 

では今回も、最後までお読み頂き、ありがとうございました〜(╹◡╹)

次回はいよいよ、精油の化学成分をじっくり解説していきますね!

 

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【アロマセラピーとは】セラピストの数だけ答えがあり、経験を積むごとに変わるもの。

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今ではすっかりお馴染みのアロマセラピーアロマセラピーって何?なんて聞かれることは、ほとんどなくなりました。でもね、私自身、気になるセラピストさんを見つけたら、アロマセラピーをどのように定義しているのかチェックします。きっとそれが、そのアロマセラピストを知る近道だと思うのです。なので、なるべく自分の言葉で書き出したいそして、その定義は、日々を積み重ねるうちに微妙に変わってきている!気がする・・・

なので、定期的に更新を入れつつ、その変化を自分でも楽しもうかな( *´艸`)

 〈目次〉

アロマセラピーとは? 

用語から解説

「アロマ」は「香り」、「セラピー」は「治療」、というのが一般的。

手持ちのロングマン英英辞典よりその内容をまとめますと、「aroma」is「a strong pleasant smell」, 「therapy」is「treatment or examination of illness, injury, or mental problem for a long time, without using drugs and operation」とありますので、要は、心地良い香りによって病気や怪我、精神のケアをするものなんですね。さらに、そのケアはある程度の時間をかけて、薬や医学的(特に外科的)な処置を加えずに行うものになります。

 ちなみに、アロマセラピーアロマテラピーは同じです。英語読みか、フランス語読みかの違いになります。どちらの読みでも構いませんが、私の所属する団体は英国拠点ですので、私は何となくセラピーの方をよく使います。

 

歴史やルーツから解説

私の知る限り、アロマセラピーは大きく2式に分けられます

英式仏式です。

どちらが良いとか悪いとかではなく、ルーツが違うといいますか、目的や利用法が違っています。英式では”美容と健康”という点から、マッサージを含むトリートメントによる全身ケアや心身のバランスなど、ホリスティックな観点からアロマを取り入れた手法を用いています。一方、仏式では、メディカルで局所的なケアとして、薬学の観点からアロマを使用することもあります。ですので、仏式では飲用も認めている団体もあります。しかしながら、飲用は大変危険で深い知識が必要ですので、安易に行ってはいけません。禁止している団体も多く、特に、ここ日本では禁忌です。

アロマセラピーの歴史を見ても、それぞれのルーツに触れることができます。

例えば、フランスでは、化学者ガットフォセが自身の体験から精油の治療的効果の研究をし、”アロマテラピー”という造語を作り出したことに始まります。その後、同じくフランス人の軍医であるジャン・バルネ も芳香薬剤の治療で成果をあげ、医師や薬剤師に対して”アロマテラピー”の啓蒙活動をしました。そして、それが今でも薬局で精油を扱うなどフランスのアロマセラピーの特徴となっています。興味がある方は、調べてみてくださいね。

 

では、日本ではどうでしょうか?

日本では、英式が主流です。基本的には、”癒し”としてのオイルマッサージや芳香浴としての認知が高く、精神ケアの分類にあると言えます。しかしながら、仏式の資格なども取得できますし、そのようなセラピストさんも多くいらっしゃいます。私の所属する団体もそうですが、近年では家庭の医学や補完医療としての普及活動も多くあり、そうした視点からの注目度も高まってきています。そして、残念ながら、アロマセラピーの主役である精油”(後述します)は、日本では”雑貨”扱いです。薬効も含み、使い方によっては注意が必要な精油ですが、生活アイテムの一つとして扱われているのです。これはもしかすると、日本の歴史において、「香り」とは、雅で高貴な趣味や遊び、芸術としての起源に持つせいもあるのかもしれません。”香道”という歴史のある芸道もあるくらいですから。「香り」に薬学的効果を認めるまでは長い道のりになりそうです。

 

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公益財団法人お香の会ホームページより
私的解説

ここからは、サクサクっとお読みいただいても構いません。完全な私説であり、誰に自慢できるものでもありませんから。。。(´∀`;●)

アロマセラピーは、後に説明しますが、精油と呼ばれる植物から採れる香りの成分を利用します。精油は、動けない植物がその場で生き抜くために自ら作り出す生産物であり、いわば生命力の塊と言えます。そこの生命力の塊は、当然エネルギーに満ち溢れていて、その力を私たちはお借りして自分たちのケアに使います。ですので、そこから、今の自分に必要なものを得て元気が出てくるのだと思います。

さらにいうと、私はアロマセラピーは、自然から離れてしまいがちな現代人にとっての必要アイテムだとも思っています。生活に追われ、人混みや人工物の中に居ていると、私たちは大事なことを忘れてしまいます。

 

この世界の生物や存在物は全て、

それ単体で生きることができない

 

ということ。自然哲学に触れた人、自然から学ぶ人、は必ず触れる事実だと思いますが、「何かを受け取る・渡す」という環(サイクル)はずっと存在していて、どんな人でもその環から外れると、上手く生きられません。当然ですが、呼吸も食事もその一つです。繰り返しますが、アロマセラピーで使う精油は、植物の生命力そのものであり、植物から受け取る自然の恵です

それに触れることで、自然との繋がりを戻せる。どこに居てもどの瞬間でも。

その手軽さとパワーがアロマセラピーの素晴らしさの一つだと思っています。

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精油エッセンシャルオイル、以下省略)とは?

精油とは、植物から採取する香りの成分です。ですので、アロマセラピーで欠かせないアイテムになります。「香り(=アロマ)」 そのものですから…。

精油は”エッセンシャルオイル”とも、単純に”アロマ”とも呼ばれることがあります。

私が思うに、使い分けって特になくて、売り手側の気持ち…どう売りたいか、どの対象に売りたいか、ではないかと(´ー`A;)  アロマセラピーとしての要素が低く、一般向けに癒しの香りとしてだと、市場では「アロマ」がわかりやすいですよね。その手のものは、ちょっと注意も必要ですが。

 

香りの成分といいましたが、正確には、揮発性の芳香成分となります。その成分はとても小さく、小さいという表現では足りないくらい。瓶に入っている状態では液体ですが、すぐに気化、つまり、空気中に拡散されます。これが「揮発性」とされるところ。

ですので、抽出方法で油脂に香りを付着させてから溶剤を使って取り出された精油(アブソリュート:Abs)は”精油”ではないとするセラピストさんもいらっしゃいます。揮発しない溶剤が少なからず混入してしまうからです。

 

ところで、小さい成分と書きましたが、よく質問されることがあります。

 アロマって体に入るんですか?見えないのに、不思議。。。

そうです。気化して「香り」として認識されている精油たちですが、見えないくらい小さいんです。もう一つ用語を加えると、揮発性の芳香成分である精油は、化学で言うと炭素(C)を含む有機化合物であり、とても低分子。植物油のように大きな分子ではないのです。低分子の有機化合物なので、すぐに浮遊して鼻の粘膜に付着して体内に入りますし、植物油などの基材で希釈して肌に使えば、皮膚から体内に吸収されます。そして、基本的には食物と同じように代謝されて排出されます。

 

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さて、この精油は、植物の種類によって採取箇所が違います。花だったり、葉だったり、全部から採れるものもあります。他には、木の枝、幹、根、樹脂…。果皮や種…。一つの植物からたくさん採れるものもあれば、少量しか採れないもの、同じ植物でも産地や気候によって成分が変わるもの、と値段や質も、もちろん香りも違ってきます。

先に少し触れたように、「香り」が違うとは、含まれる「香り成分」が変わってきますので、アロマセラピーとして何かの効能を期待して使うのであれば、その作用も変わってきます。人と同じで、”精油”と一括りに言っても個性が光っていますよ

精油の選び方① ー偽物に注意!ー

精油とは?の説明でも触れましたが、”アロマ”という言葉が普及して一般的になった現状、価格帯が広がり、当然、安い偽物が出回っています。私はこれが好きで癒されるの!という方に強制的にやめなさいとはいいませんが、アロマセラピーを目的に体調管理や気分転換を求める方にはお勧めしません。

 

では、具体的に、何を偽物というのか?

精油は、植物が作り出す複雑な有機化合物の混合物です。植物から採取した香り成分に人工的に手を加えたものは、偽物です。

ロングラスティング、つまり、長い間香りが持つように調整されてあったり、価格帯を下げるために、安い香料を添加しているものもあります。さらに、ひどい場合には、有機溶剤と言われるような、アルコールやアセトンなどを加えたものもあります。添加しているものが、天然素材から取り出したものであることを主張している場合もありますが、基本的に手を加えたものは、その時点で”自然”のものではありません!精油の成分は何百、何千、書籍によっては何垓と表記されているものもあるくらい多くの成分が1滴の中に凝縮されており、主成分となるものだけで、その精油の特徴を表すことはありません。微量成分や成分分析器に検出されないような成分が効能に関わることもあると言われています。

その他にも、注意が必要とされる成分一つだけを取り上げ、それを取り除いた加工品もあります。一見、良いことにも思えますが、これも手を加えた時点で”自然”のものではありません。1滴の精油内で、例えば、その作用を緩和するとされる成分が含まれていることも多くあります。

 

繰り返すようですが、精油は植物が作り出すエネルギーであり、生命力そのものです精油1滴に含まれる成分は、バランスの取れたものであり、人が研究する範囲内では解明できない点もある、神秘的な領域も持ち合わせていることを忘れないでください。

自然療法として、自然の力を借りて、アロマセラピーをしたい方、ぜひとも人工的な手を加えられていない精油を選ぶことをお勧めします。

私たちが思っているより、この世界は完璧な美しさを持っているはず!

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精油の選び方② ー天然物は安全・安心なのか?ー

よく、「天然のもの」「自然のもの」を安全なもの、と勘違いされている方がいらっしゃいます。天然だから(もしくは、自然だから)、体に良いわけでも、体に優しいわけでもありません。アロマセラピーでも同じことが言えます。少し触れましたが、精油には注意が必要な成分を含むものもあります。これだけで一つのお話ができるくらいの項目になりますので、詳細はまた後々。。。毎度すみません(人´∩`) いつかまとまってくるかなぁ

注意が必要なら、その成分を抜いた精油にしよう!というものでもありません。それだけで素晴らしいバランスを持つ精油ですので、手を加えた精油はお勧めしません

ここで、大切なのは、

  • 天然物が安全だという、単純な認識を見直すこと
  • 注意が必要な精油もあるのだと識ること
  • 精油との付き合い方を正しく学ぶこと

になります。極端に危険視して、怖がる必要はありませんが、無条件に全てを受け入れることもありません。正しい知識で、”安全・安心”なアロマセラピーをしましょう!

精油の取扱方法 ー保管場所や注意点ー 

精油の成分や期待される効果は少しずつお話しするとして、私の教室でもまずお伝えしているのが、取扱いの注意保管方法です。

<取扱の注意>

直接、肌につけない →精油は成分が凝縮された濃度の高いものなので刺激も強い

絶対に口に入れない →飲用は認められません。口に含むのも危険です。

使用期限が過ぎたものは身体に使用しない →少量でも肌刺激になる可能性が高い

基本的に乳幼児には使用しない →体が小さく身体機能が弱いため

火気厳禁 →精油は可燃性が高く、種類によっては引火点が低い(発火しやすい)

ペットに注意 →使うときは、その種類とアロマの関係をしっかり学んでから

※ 肌についてしまった場合は、すぐに洗い流してください。

※ 誤飲や身体に異常を感じた場合は、その精油を持って医師にご相談ください。

<保管場所>

冷暗所保管が基本条件

 常温(一般的に13℃前後)で湿気の少ない場所がベスト

 直射日光が当たらないようにする

空気になるべく触れないようにする

 精油によっては非常に酸化・変質しやすいものがある

 キャップをしっかりと締めて、開封後はなるべく早く使い切る

瓶の状態(液体)で振動にも注意(液体のまま持ち歩くことはなるべく避ける)

子供の手の届かない場所に置く

ペットが触れない場所に置く

 

保管状況により、酸化などの変質が起こることがあります精油としての、本来の性質と違うものになる場合もあり、安易に使うのは危険です。

保管状況の悪いものや使用期限が過ぎたものは、お掃除などにも使うのことをお勧めします。それでも、極端に香りが変わっているものは避けた方が無難です。

嗅覚は本能感覚でもあります。何か違う?は危険信号!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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【ネコさんと暮らす方へのアロマ取説】猫にアロマは良くないの?猫とアロマの関係を解く!

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先日、セラピスト仲間との話題ででた「猫にアロマは良くないらしい」説。

アロマセラピーの知識には自信があったのですが、ペットを飼っていないということもあり、ノーマーク`( °▽°;)

でも、とても大事なことですね!

アロマセラピーに興味を持って、実践したいと思っている人が、ペット飼ってる場合だってあるはず!!

ネコさんにアロマ使っていいの?ダメなの??

調べてみると、ダメ説が有力。インターネット上で見ても、ネコさん側からの記事が多いようですね。そうなると、なぜダメなのかを徹底的に調べたくなるのが、私…。そういう性分なのです^ ^;

という事で、アロマセラピスト側から見解を、気をつけた方が良い精油とともに公開! 

長いよ〜長くなるよ〜。頑張って読んでみてくださいね〜

 

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猫にアロマが良くないと言われる理由をまとめてみました

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猫の代謝システム、肝臓の機能が人とは違う

猫は代謝システムが人間とは異なります

特に、肝機能にその特性があるようです。

肝臓は、ヒトでもそうですが、解毒作用や脂質成分分解作用などで重要な器官ですよね。精油は油脂ではありませんが、脂質の性質を持ちます。

脂質の性質

生化学の書籍によると、脂質は「水には溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい」性質を持ちます。有機溶媒とは、具体的に言うとアルコールやアセトンなどの炭素原子を骨格にもつ有機化合物の液体。

そして、体内に入れば代謝され排出されるので、排出器官(肝臓や腎臓)の作用を受けます。ところが、ネコさんはこの肝臓機能において、「脂質を水溶性に変える」機能がないようなのです。専門的に知りたい方のために具体的に用語を出しますと、「グルクロン酸抱合」ができないようです。脂質を分解する時の酵素補助作用が弱いんですって。ちなみに、メス猫さんの方が注意が必要なようです。

 猫は本来肉食であり、植物が作り出す化学物質を分解して排出する機能が必要なかったために、その能力が劣っているというのもあるようですね。

  

猫は中毒症状が起きやすい、血液中の赤血球が脆い

特に、タマネギやネギなどに注意しなくてはいけないことは周知の通りです。なぜ、ダメなのかも調べました。血球の細胞膜が壊れやすい(溶血しちゃう)そうなんです。

中毒

辞書によると、ある種の物質を体内に摂取することにより機能障害をひき起こすこと。毒あたり。

 

その他の植物に関しても、”大丈夫な植物の方が少ない”との記述も見られます。精油は植物からの恵です。しかも、その有効成分がぎゅっと凝縮されており、わずか1滴内にも数百、数千(数千垓との記載もあり)もの分子が含まれています。ですので、どの成分が植物に弱いネコさんに影響するか未知ですね。しかしながら、実際には、精油による毒性症状の報告例はほとんどが経口、つまり、飲んでしまった場合によるものになります。また、毒性は容量に依存することも覚えておいてください。後述します。

 

 また、”溶血”しやすい、という点から有機溶剤(アルコールやアセトン)などに注意が必要です。実は、この有機溶剤、安く売られている精油などで、量を多くするためにか、成分に添加して用いられていることがあります。もちろん、これらは”合成香料”であり”精油”ではありません。これは、私たち人に対しても言えることですが、アロマセラピーを行う際には、信頼できるメーカーやサプライヤーからの安全な精油を選んでくださいね。

 

猫と言えば、毛づくろい

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ディフューザーなどで室内に香りを空間に揮発させることで、精油が毛に付着することも考えられます。ネコさんが毛づくろいをする際に、ぺろっと舐めて体内に入ってしまいます精油は低分子なので目に見えません。目に見えない分、注意するのが難しいので、危険度も増します。前述したように、精油を使う上で、一番毒性を起こしやすいのは経口になります。人間ですと、各団体で飲用を禁止していますので飲むことは少ないですが(うっかりを除いて)、ネコさんは毛づくろいしますので、結果的に摂取してしまう状態になりかねません。

あまりないかと思いますが、アロマバスやアロママッサージなどは論外です。

 

そもそも人間に比べて小さい


アロマセラピーにおいて、精油の使用量は、年齢や大きさに応じて注意深く考慮すべきポイントです。新生児〜幼児まで禁忌、小学生においても使用制限のある団体がほとんどといって良いでしょう。使用量により、体内への浸透率や代謝(排出)対象の量が変わるからです。これによると、ペットなどの小さな動物は新生児レベルでの注意が必要と言えます。

 

アロマセラピーで使われる精油が体内に入る仕組み(簡易版)

アロマセラピーに関しては、しっかりとした記事を順序よく書いていく予定でしたが(いつまでも進まない・・・ので)、時事ネタで随時アップして、後々繋いでいくことにしました。それで、いきなりアロマセラピーとしてはマニアックなネコさんネタが先になってしまったのですが。

 

で、アロマセラピーではまず、必要最低限の知識です。

基本的に人体に対する経路ですが、生き物に対して言えることですので、必見!

  • 鼻(嗅覚)から神経経路(電気的信号/刺激)を介して脳へ
  • 鼻(粘膜)から吸収→血管→体内へ
  • 鼻(気管)から肺(呼吸器)に入り吸収→血管→体内へ
  • 皮膚から吸収→血管→体内へ

体内に入った精油は、食物と同じように代謝され、不要分は排出(尿、呼気)します。 

 

ネコさんと暮らす方が気をつけた方が良い精油

どの精油?の前に知っておいて欲しいこと

ネコさんとアロマの関係において、大事なことは、

 

  • 口に入れさせないこと
  • 少量で使用すること

そして、これはネコさんに限らずアロマセラピーをする場合の絶対条件ですが

  • 真正の精油を使用すること(安価な合成香料と精油を見極める)

 

であることをまずしっかりと頭に入れておきましょう。

前述しましたが、アロマセラピストのバイブルとも言える書籍『精油の安全性ガイド』より重要箇所を抜粋します。

 

毒性の度合いは、ある程度までその投与経路に依存します。そして、経口投与したときに最も高い危険性を示します。

 

一般に、毒性は容量に依存します。適用した精油の量が多ければ多いほど、それによって害を被る危険性はますます高くなります。容量が少ないほど、そのリスクも小さくなります。

※ただし、アレルギーや皮膚刺激に関しては、量関係なく起こることはあります

 

精油というものは、抽出されたあとにその正常な組成成分のいずれかを取り去ったものであってはなりませんし、また何か他の物質を添加したものであってもいけません

 

以下に、注意が必要な精油を紹介しますが、ネコさんに関する資料をみる限りでは、どの精油も注意が必要といえます。

肝臓機能に対して注意が必要な精油

生活雑貨として置かれているような精油ではあまり見られないものが多いかと思います。実際、扱いに注意が必要な分類であり、作用を重視したセラピストさんと使うのがおすすめの精油たちです。

 

”フェノール類”を多く含むものになります。成分で言うと

オイゲノール、チモール、アネトール など

フェノール類を含む精油は肝毒性を起こしやすいものもあり、注意が必要です。

精油はこちら↓↓↓

クローブ、シナモン、ベイ、タイムチモール、アニス、フェンネル

 

中枢神経毒性のある精油

ケトン類を多く含むものになります。成分でいうと、

カンファー(ボルネオン)、ツヨン、ベルベノン、メントン、ヌートカトン
精油はこちら↓↓↓

クスノキ科、フトモモ科(ユーカリ各ケモタイプ、ティートゥリーなど)、

ローズマリー(各ケモタイプ)、セージ

 

皮の厚めの柑橘類、ウッド系は控えた方が無難です。

 

細胞毒性のある精油

細胞毒性のある精油は、普段私たちがアロマセラピーで使うものに、実はあまりありません。日本では、どこに売ってるの?みたいな精油がほとんど。また、アロマセラピートリートメントでも禁忌とするものも多いです。その理由は”皮膚刺激”や”アレルギー(感作)”などを考慮した点からです。それだけ、作用が強いものもあるんです。代わりに、抗真菌、抗菌、抗ウィルス作用などにとても役立ちます。

ネコさんに絡めていうと、この手の精油は、細胞膜を破壊(溶かす)作用があるものも多く、赤血球が脆いと言われ、中毒症状を起こしやすい体質の生き物は注意がいるんでしょうね。

 

フェノリックエーテル類を含む成分

サフロール、カンファー、エストラゴール、βアサロン

精油はこちら↓↓↓

カンファー(黄・茶)、ササフラス、カラマス

 

そして、意外と注意しなければならないのはティートゥリー精油

”細胞毒性”の精油には入らず、一般的によく使われるティートゥリー精油などは、比較的安全な精油で紹介されることも多いのですが、国によっては毒性の強いものとして扱われる例もあるので、ご注意くださいね。

アレルギー性の高い精油 

アルデヒド類を多く含む成分

シトラル、シトロネラル

精油はこちら↓↓↓

レモングラス、シトロネラ、メリッサ、メイチャン、ユーカリレモン

 

その他、酸化してしまった精油もアレルギーを起こしやすくなるので注意してくださいね。

 

 

結論:猫に対しての、積極的なアロマセラピーはやめた方が良い

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上記ことからも、「ネコさんにアロマセラピーをする」というのは、まず、やめましょう。人には良いことでも、ネコさんには迷惑です。良いこともあるのかも知れませんが、それに比べてリスクの方が多いようです。

では、飼い主さんがアロマセラピーをしたい場合、どうしたら良いでしょうか?

飼い主さんがアロマセラピーをしたい時

ネコさんに対してではないけど、ネコさんと一緒に暮らしている方もアロマセラピーしたいですよね。アロマセラピーは、部屋中に香りを漂わせるだけではありません。そんな方におすすめしたい方法はこちら

  • アロマセラピートリートメント
    ご自身だけがアロマセラピーの良さを堪能できるベストな方法です。香りに包まれるだけでなく、その成分が体内にも浸透して効果的です!香りは、トリートメント中に惜しみなく感じることができますし、そのひとときを楽しめます。
    体表に残る精油が心配な場合は、ネコさんに触れる部分だけ拭き取って置けば安心ですが、半日ほど時間が経っていれば、吸収される、表面で分解される、もしくは、自然揮発しているでしょう。

  • 瞬間的に嗅ぐ器具を使用する
    空間芳香せずに、瞬間的に香り成分を吸入できる器具もあります。海外では、コロナ禍で働く医療機関のスタッフの方に、こうした器具に香りを染み込ませてアロマセラピーをしてもらう試みもあったようです。Sniff Stick と紹介されていました。使い方は、蓋を外して、吸って、また蓋をする。なんだか見た目も使い方もマニアックで怪しさも漂いますが、なるべく周辺環境に影響を与えない方法として、おすすめです!
    とはいえ、香りは軽い成分で揮発しやすいので、全く周囲に成分が飛ばないとはいえませんが、かなり少量になると言えます。

  • お風呂場での利用
    換気している状態で、ご自身がアロマバスや部分浴をする、または、浴室での芳香浴をすると、ネコさんが居住する環境まで影響することは少ないかと思います。浴室や脱衣所は湿気も多いですし、ネコさんをなるべく近寄らせないようにするのも一つの対策ですね。

  • 基礎化粧品でアロマ製品を使う
    微香で体内に吸収させる目的の基礎化粧品では、空間へ精油が放たれることは少ないでしょう。手に付着しているものに関しては、拭き取る必要もあるかも知れませんが、アロマセラピートリートメントと同じように、その瞬間の芳香や植物成分が体に入って効果も期待できます。また、精油だけでなく、植物油(浸出油含む)や芳香蒸留水(ハーブウォーター、フローラルウォーターなどとも呼ばれる)を使うやり方もアロマセラピーです。こうしたものは、精油に比べると作用も穏やかで、幼児から使える便利な基材です。香りが良いものも多いので、ぜひ利用してみてください!

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

ネコちゃんとの生活もアロマ生活も楽しめるといいですね♪

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