先日、セラピスト仲間との話題ででた「猫にアロマは良くないらしい」説。
アロマセラピーの知識には自信があったのですが、ペットを飼っていないということもあり、ノーマーク`( °▽°;)
でも、とても大事なことですね!
アロマセラピーに興味を持って、実践したいと思っている人が、ペット飼ってる場合だってあるはず!!
ネコさんにアロマ使っていいの?ダメなの??
調べてみると、ダメ説が有力。インターネット上で見ても、ネコさん側からの記事が多いようですね。そうなると、なぜダメなのかを徹底的に調べたくなるのが、私…。そういう性分なのです^ ^;
という事で、アロマセラピスト側から見解を、気をつけた方が良い精油とともに公開!
長いよ〜長くなるよ〜。頑張って読んでみてくださいね〜
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猫にアロマが良くないと言われる理由をまとめてみました
猫の代謝システム、肝臓の機能が人とは違う
猫は代謝システムが人間とは異なります。
特に、肝機能にその特性があるようです。
肝臓は、ヒトでもそうですが、解毒作用や脂質成分分解作用などで重要な器官ですよね。精油は油脂ではありませんが、脂質の性質を持ちます。
脂質の性質
生化学の書籍によると、脂質は「水には溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい」性質を持ちます。有機溶媒とは、具体的に言うとアルコールやアセトンなどの炭素原子を骨格にもつ有機化合物の液体。
そして、体内に入れば代謝され排出されるので、排出器官(肝臓や腎臓)の作用を受けます。ところが、ネコさんはこの肝臓機能において、「脂質を水溶性に変える」機能がないようなのです。専門的に知りたい方のために具体的に用語を出しますと、「グルクロン酸抱合」ができないようです。脂質を分解する時の酵素補助作用が弱いんですって。ちなみに、メス猫さんの方が注意が必要なようです。
猫は本来肉食であり、植物が作り出す化学物質を分解して排出する機能が必要なかったために、その能力が劣っているというのもあるようですね。
猫は中毒症状が起きやすい、血液中の赤血球が脆い
特に、タマネギやネギなどに注意しなくてはいけないことは周知の通りです。なぜ、ダメなのかも調べました。血球の細胞膜が壊れやすい(溶血しちゃう)そうなんです。
中毒
辞書によると、ある種の物質を体内に摂取することにより機能障害をひき起こすこと。毒あたり。
その他の植物に関しても、”大丈夫な植物の方が少ない”との記述も見られます。精油は植物からの恵です。しかも、その有効成分がぎゅっと凝縮されており、わずか1滴内にも数百、数千(数千垓との記載もあり)もの分子が含まれています。ですので、どの成分が植物に弱いネコさんに影響するか未知ですね。しかしながら、実際には、精油による毒性症状の報告例はほとんどが経口、つまり、飲んでしまった場合によるものになります。また、毒性は容量に依存することも覚えておいてください。後述します。
また、”溶血”しやすい、という点から有機溶剤(アルコールやアセトン)などに注意が必要です。実は、この有機溶剤、安く売られている精油などで、量を多くするためにか、成分に添加して用いられていることがあります。もちろん、これらは”合成香料”であり”精油”ではありません。これは、私たち人に対しても言えることですが、アロマセラピーを行う際には、信頼できるメーカーやサプライヤーからの安全な精油を選んでくださいね。
猫と言えば、毛づくろい
ディフューザーなどで室内に香りを空間に揮発させることで、精油が毛に付着することも考えられます。ネコさんが毛づくろいをする際に、ぺろっと舐めて体内に入ってしまいます。精油は低分子なので目に見えません。目に見えない分、注意するのが難しいので、危険度も増します。前述したように、精油を使う上で、一番毒性を起こしやすいのは経口になります。人間ですと、各団体で飲用を禁止していますので飲むことは少ないですが(うっかりを除いて)、ネコさんは毛づくろいしますので、結果的に摂取してしまう状態になりかねません。
あまりないかと思いますが、アロマバスやアロママッサージなどは論外です。
そもそも人間に比べて小さい
アロマセラピーにおいて、精油の使用量は、年齢や大きさに応じて注意深く考慮すべきポイントです。新生児〜幼児まで禁忌、小学生においても使用制限のある団体がほとんどといって良いでしょう。使用量により、体内への浸透率や代謝(排出)対象の量が変わるからです。これによると、ペットなどの小さな動物は新生児レベルでの注意が必要と言えます。
アロマセラピーで使われる精油が体内に入る仕組み(簡易版)
アロマセラピーに関しては、しっかりとした記事を順序よく書いていく予定でしたが(いつまでも進まない・・・ので)、時事ネタで随時アップして、後々繋いでいくことにしました。それで、いきなりアロマセラピーとしてはマニアックなネコさんネタが先になってしまったのですが。
で、アロマセラピーではまず、必要最低限の知識です。
基本的に人体に対する経路ですが、生き物に対して言えることですので、必見!
- 鼻(嗅覚)から神経経路(電気的信号/刺激)を介して脳へ
- 鼻(粘膜)から吸収→血管→体内へ
- 鼻(気管)から肺(呼吸器)に入り吸収→血管→体内へ
- 皮膚から吸収→血管→体内へ
体内に入った精油は、食物と同じように代謝され、不要分は排出(尿、呼気)します。
ネコさんと暮らす方が気をつけた方が良い精油
どの精油?の前に知っておいて欲しいこと
ネコさんとアロマの関係において、大事なことは、
- 口に入れさせないこと
- 少量で使用すること
そして、これはネコさんに限らずアロマセラピーをする場合の絶対条件ですが
であることをまずしっかりと頭に入れておきましょう。
前述しましたが、アロマセラピストのバイブルとも言える書籍『精油の安全性ガイド』より重要箇所を抜粋します。
毒性の度合いは、ある程度までその投与経路に依存します。そして、経口投与したときに最も高い危険性を示します。
一般に、毒性は容量に依存します。適用した精油の量が多ければ多いほど、それによって害を被る危険性はますます高くなります。容量が少ないほど、そのリスクも小さくなります。
※ただし、アレルギーや皮膚刺激に関しては、量関係なく起こることはあります
精油というものは、抽出されたあとにその正常な組成成分のいずれかを取り去ったものであってはなりませんし、また何か他の物質を添加したものであってもいけません
以下に、注意が必要な精油を紹介しますが、ネコさんに関する資料をみる限りでは、どの精油も注意が必要といえます。
肝臓機能に対して注意が必要な精油
生活雑貨として置かれているような精油ではあまり見られないものが多いかと思います。実際、扱いに注意が必要な分類であり、作用を重視したセラピストさんと使うのがおすすめの精油たちです。
”フェノール類”を多く含むものになります。成分で言うと
オイゲノール、チモール、アネトール など
フェノール類を含む精油は肝毒性を起こしやすいものもあり、注意が必要です。
精油はこちら↓↓↓
クローブ、シナモン、ベイ、タイムチモール、アニス、フェンネル
中枢神経毒性のある精油
ケトン類を多く含むものになります。成分でいうと、
カンファー(ボルネオン)、ツヨン、ベルベノン、メントン、ヌートカトン
精油はこちら↓↓↓
クスノキ科、フトモモ科(ユーカリ各ケモタイプ、ティートゥリーなど)、
ローズマリー(各ケモタイプ)、セージ
皮の厚めの柑橘類、ウッド系は控えた方が無難です。
細胞毒性のある精油
細胞毒性のある精油は、普段私たちがアロマセラピーで使うものに、実はあまりありません。日本では、どこに売ってるの?みたいな精油がほとんど。また、アロマセラピートリートメントでも禁忌とするものも多いです。その理由は”皮膚刺激”や”アレルギー(感作)”などを考慮した点からです。それだけ、作用が強いものもあるんです。代わりに、抗真菌、抗菌、抗ウィルス作用などにとても役立ちます。
ネコさんに絡めていうと、この手の精油は、細胞膜を破壊(溶かす)作用があるものも多く、赤血球が脆いと言われ、中毒症状を起こしやすい体質の生き物は注意がいるんでしょうね。
サフロール、カンファー、エストラゴール、βアサロン
精油はこちら↓↓↓
カンファー(黄・茶)、ササフラス、カラマス
そして、意外と注意しなければならないのはティートゥリー精油。
”細胞毒性”の精油には入らず、一般的によく使われるティートゥリー精油などは、比較的安全な精油で紹介されることも多いのですが、国によっては毒性の強いものとして扱われる例もあるので、ご注意くださいね。
アレルギー性の高い精油
アルデヒド類を多く含む成分
シトラル、シトロネラル
精油はこちら↓↓↓
レモングラス、シトロネラ、メリッサ、メイチャン、ユーカリレモン
その他、酸化してしまった精油もアレルギーを起こしやすくなるので注意してくださいね。
結論:猫に対しての、積極的なアロマセラピーはやめた方が良い
上記ことからも、「ネコさんにアロマセラピーをする」というのは、まず、やめましょう。人には良いことでも、ネコさんには迷惑です。良いこともあるのかも知れませんが、それに比べてリスクの方が多いようです。
では、飼い主さんがアロマセラピーをしたい場合、どうしたら良いでしょうか?
飼い主さんがアロマセラピーをしたい時
ネコさんに対してではないけど、ネコさんと一緒に暮らしている方もアロマセラピーしたいですよね。アロマセラピーは、部屋中に香りを漂わせるだけではありません。そんな方におすすめしたい方法はこちら
- アロマセラピートリートメント
ご自身だけがアロマセラピーの良さを堪能できるベストな方法です。香りに包まれるだけでなく、その成分が体内にも浸透して効果的です!香りは、トリートメント中に惜しみなく感じることができますし、そのひとときを楽しめます。
体表に残る精油が心配な場合は、ネコさんに触れる部分だけ拭き取って置けば安心ですが、半日ほど時間が経っていれば、吸収される、表面で分解される、もしくは、自然揮発しているでしょう。 - 瞬間的に嗅ぐ器具を使用する
空間芳香せずに、瞬間的に香り成分を吸入できる器具もあります。海外では、コロナ禍で働く医療機関のスタッフの方に、こうした器具に香りを染み込ませてアロマセラピーをしてもらう試みもあったようです。Sniff Stick と紹介されていました。使い方は、蓋を外して、吸って、また蓋をする。なんだか見た目も使い方もマニアックで怪しさも漂いますが、なるべく周辺環境に影響を与えない方法として、おすすめです!
とはいえ、香りは軽い成分で揮発しやすいので、全く周囲に成分が飛ばないとはいえませんが、かなり少量になると言えます。 - お風呂場での利用
換気している状態で、ご自身がアロマバスや部分浴をする、または、浴室での芳香浴をすると、ネコさんが居住する環境まで影響することは少ないかと思います。浴室や脱衣所は湿気も多いですし、ネコさんをなるべく近寄らせないようにするのも一つの対策ですね。 - 基礎化粧品でアロマ製品を使う
微香で体内に吸収させる目的の基礎化粧品では、空間へ精油が放たれることは少ないでしょう。手に付着しているものに関しては、拭き取る必要もあるかも知れませんが、アロマセラピートリートメントと同じように、その瞬間の芳香や植物成分が体に入って効果も期待できます。また、精油だけでなく、植物油(浸出油含む)や芳香蒸留水(ハーブウォーター、フローラルウォーターなどとも呼ばれる)を使うやり方もアロマセラピーです。こうしたものは、精油に比べると作用も穏やかで、幼児から使える便利な基材です。香りが良いものも多いので、ぜひ利用してみてください!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
ネコちゃんとの生活もアロマ生活も楽しめるといいですね♪